平成１２年・春のルーツＴＨＥ原チャリ

　「ベスパでレースに出てみませんか？」「え、でも僕、下手ですよ」「まあ、遊び
ですから」「はぁ・・・ほな、出ます」という軽い乗りでついつい出てしまったルー
ツＴＨＥ原チャリ。確かに「勝敗はオドメーターの走行距離で決める」とか、そうい
う遊び心満点の楽しいレースでした。しかし、参加者の皆さん、どー見ても本気です
がな、これ・・・。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

　「じゃこれ、乗ってください」と長谷川師匠が指さしたそれは、僕が知ってる「ベ
スパ」とは違う、何かこお、全体的かつアカラサマ的に「闘うマシーン」でありまし
た。ヘッドライトの「ぴ」の文字だとか、「道頓堀二輪倶楽部・バタコ」なんてステ
ッカーだとか、そんなおちゃらけた感じに見せようという小細工の隙間から「わし、
レーサーだかんな」というバトルなオーラが漏れまくり、みたいなぁ、感じぃ、てい
うかぁ、もぉわっかーんないっ。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

　１５０分のレースを前半と後半、７５分ずつに分けてそれぞれ責任を持って走ると
いうなかなかに男らしい作戦を長谷川元帥は立てられました。で、僕は後半の７５分
です。前半、長谷川総帥は男らしく果敢な熱い走りを（時折玉砕も交えながら）展開
しました。そして、後半。なぜかそのころから激しくなった雨の中、コースインしま
した。おおっと、なかなかパワフルです。やっぱり僕が知ってる「ベスパ」とは違う
乗り物です。でも、乗ってる人間はスタンダードな僕のままなので、コース上でも土
日旅人であります。路面はヘビーなウェット、とにかく恐くて開けられないんっすよ
ぉ。まーじぇっすかぁ、ほーんともお、しーんじらんないっすよぉ。うぉぉっと、滑
った、何とか耐えた、コース上はまさに戦いのワンダーランドだぁっ。恐いですねえ
おそろしいですねぇ、これからだんだん、危なくなってきますねぇ、それでは、さい
なら、さいなら、さいなら。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

　混乱の１５分を過ぎると、僕も何となく落ち着いてきて、やっと何とか乗れる感じ
になってきました。いや、相変わらず遅いんですけどね。何かこお、楽しめる感じに
なってきたというか。それで、名阪スポーツランドのコース上ツーリングを楽しんで
いると、あっという間にチェッカーフラッグ。ほんと、なんか終わってみるとあっけ
ないもんです、７５分なんて。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

　でも、めちゃくちゃ楽しかったです。皆さんも是非一度、お試しくださいませ。　

闘うマシーン・ぴ号

そして、闘いと縁のない、至って機嫌の良い男。

おどけた感じで敵を欺く長谷川師匠。

でも、乗れば三秒で目が三角に。

闘ってますなぁ。でも、車種がごちゃ混ぜなのが、ほのぼのとして良いなあ。

カブとベスパのバトル、かっこえぇー。

闘い済んで、雨濡れて。でも、たのしかった。

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